2012年11月アーカイブ

最高裁を受けての私のブログエントリーに元検事前田氏から疑義が示されました。

前田氏に言及した部分(「前田恒彦検事は、私の事件で水谷功氏を取り調べ、水谷氏に取引を持ちかけた検事その人なのです」)に関し、事実は異なるとFacebook記事での指摘をうけ、手元の裁判資料を仔細に確認したところ、確かに前田氏サインの調書は内容が薄く、水谷氏に関して事実関係の核心となる調書の署名は前田氏の調書の後の日付で、森本宏検事さらに、包括的に事実を構成する詳細な調書は佐久間佳枝検事名にて作成されておりました。

森本、佐久間両検事は取調べの頃から、名前が強く記憶に残っている検事です。(※)

逆に前田元検事に関しては厚労省、村木さんの事件で初めて名を知り、水谷氏の取調検事という私の事件との具体的接点ものちの報道を通じて知った、というのが思い返せば、正直なところで、検察不祥事の初期のシンボルとなった前田氏の名前を水谷証言とリンクさせ挙げたことは、事実に基づかず、落ちた犬を叩く報道を自ら体験したものとして、また真実追及を希求する当事者として安易でした。

水谷氏に「取引を持ちかけた」検事が誰であったかは調書をとった上記3人の一人であろうとしか言えない旨、お知らせた上で、当該部分を抹消線にて訂正させていただきます。


森本宏検事は、日本にとってよろしくない知事を「抹殺する」、の発言その人で、その人格を破壊するような取調べ手法に関して、一審の法廷でもその調書の任意性を問うべき証人として出廷しておりました。また佐久間佳枝検事が私の旧友である事件とは無関係な経営者に対して行った精神的拷問のような取調べは当事者本人からの話で当時より強く印象にのこっております。

「地検を敵に回すのは国家を敵に回すということだ。あなたの会社は絶対つぶす」といった、佐久間佳枝検事の言葉のメモは今読み返しても、その卑劣さ非道さに激しい憤りが蘇ってまいります。

ただ、これは検事個々のパーソナリティの問題ではなく、男女問わず個別の検事を挙げてみれば、それぞれが全て同じベクトルで、ごく普通の罪のない人々に、逃げ場のない密室で激しい精神的圧迫を加えていったのだ、ということは当初から実感として感じておりました。これはやられてみなければ信じがたいが、取り調べられた者にとっては常識なのではないでしょうか。

私は、官僚には顔が無い、と申し上げてまいりました。それは役職、役所の名前の後ろに隠れ、一切責任をとらない体質を指摘したものです。

私の事件とほぼ同じ構図の村木さんの事件、そして陸山会事件、他にも多数あると思われる表出していない冤罪事件について、虚構の自白の強要、調書・証拠の捏造、隠蔽は検察官個人にその責を帰して収束すべきものではありません。

はじき出され、訴追された前田氏の後ろで、自分に光が当たらず、胸をなでおろしている多数の検事が、自分の行っている不正義に気づきもしない検事が今も検察庁にいます。

陸山会事件の最高検報告書を見てもわかる通り、トップから変わらぬ検察組織の構造的体質をこそ、変えなければなりません。

コメント(1) 佐藤栄佐久

2015年3月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

最近のブログ記事