2013年12月アーカイブ

福島県による退職金返納命令、および県議会の異議棄却答申を受け、12月17日に県庁で行った記者会見資料を掲載します。


12月16日福島県議会総務委員会は、私が申し立てました「退職手当返納命令に関する異議申し立て」について棄却する決定をいたしました。これを受けて、議会にこの件をはかった福島県知事も、同じ決定をなすものと思われます。

福島県が求めているのは、私が福島県知事であった3期目と4期目の退職手当、合計7726万6700円を県に返すことです。

その理由について、県はこのように説明しています。

【1】3期目の2000年1月7日、私が知事室で当時の土木部長に対して、ダム工事の受注について建設会社の名を挙げ、いわゆる「天の声」を発して建設会社に便宜を図ったから。

【2】4期目の2004年に私の弟が経営する会社・工場の敷地が、別の建設会社に売却されることによって、土地をお金に換える「換金の利益の供与」を受けたから。

確かに、私は東京地検特捜部に収賄の罪で逮捕・起訴され、懲役2年、執行猶予4年の刑が確定しております。

しかし、この罪は、私の身にまったく覚えのないものであり、冤罪であります。私はこのような、福島県民の皆様を裏切るような犯罪は、誓って犯しておりません。

突然、東京地検特捜部に逮捕され、世間から隔絶された東京拘置所の独房で、こう聞かされました。

「私の親しい人、支持してくれる人たちが軒並み東京に呼び出され、厳しい取り調べに苦しんでいる」。

私さえ嘘の罪を認めて皆が楽になるならと、一度は虚偽の自白をいたしました。しかし、それは結果として大きな間違いでした。

私は真実を曲げることはできないと、裁判からは一貫して無実を主張してまいりました。
東京地裁・東京高裁・最高裁と、5年以上にわたって、法廷で無実を勝ち取るために闘ってきましたが、その過程で、おかしなことがいろいろと明らかになりました。

ここでは一つ一つそれを申し上げることはいたしません。

しかし、ひとこと反論するならば、県が退職手当返納の根拠としている【1】の「天の声」について、私がそれを発したとされる2000年1月7日、この日は一日中会議で常時県職員たちと共に過ごしており、事実として起こり得ないことが、東京高裁の法廷で明らかになっております。

また、【2】の、弟の会社の土地売却についても、高裁判決のいう「換価の利益」は、そもそも山の中のような価値のない、売れない土地を賄賂のために買ってやる、という意味であるところ、問題の土地は転売されるごとに商用地として利益を生んでおり、賄賂には当たらないことがはっきりしました。

東京高裁の判決は、こうでした。

「収賄罪は有罪、しかし、賄賂はゼロ円」。

これは、奇妙な判決です。東京地検特捜部のずさんな捜査、それをごまかすために捏造した犯罪、自白の強要。

東京高裁の裁判長は「特捜部の顔を立ててけんか両成敗にするから、もうやめろ」と言わんばかりの判決を投げてよこし、それが最高裁でもそのまま通ってしまったのです。

そのすぐ後、大阪地検特捜部の郵便不正事件のフロッピーディスクの証拠捏造が発覚し、特捜検察は崩壊しました。その当事者たちの中には、私の事件を担当した検事や、指示を出していた検察幹部が含まれていました。

福島県民の皆さん。
私にもし、やましいところが少しでもあるなら、このような場で言い訳をするなどということは、恥だと思います。

しかし、私は無実です。

私の退職手当については、私が5期18年半にわたって県民の皆さんの安全のため、健康のために、漁業・農業、また経済を支える中小企業を思い、また観光のために、福島県の比類ない美しさと価値を高めるために、奮闘してきた正当な物だと考えています。

いま、私は県からいわれのない退職手当返納命令を突き付けられておりますが、私は、私の誇りをかけて闘います。

福島県民の皆さん。
どうか、私のこの思いをご理解いただきたく、お願い申し上げます。

ありがとうございました。

2013/12/17

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