revealed2.jpgお待たせいたしました。平凡社新書より「福島原発の真実」発売中です

以下、目次のご紹介です
プロローグ 福島が壊れる
第1章 事故は隠されていた
炭鉱の廃坑に不法投棄/福島と原子力の火/選挙と原発/自治体は関与できない原発政策/県民に対する二重の裏切り


第2章 まぼろしの核燃料サイクル
目的と手段が逆転した原発誘致/「もんじゅ」ナトリウム漏れ事故/「鉄のトライアングル」/三県知事に絞って政府に申し入れ/プルサーマル実施方針が伝えられる/核燃料サイクル懇話会と民主主義/全国初のプルサーマル事前承認

第3章 安全神話の失墜
JOC臨界事故/高浜原発のMOX燃料データ捏造/プルサーマル延期が決定/電力自由化と東京電力/過疎と「平成の大合併」

第4章 核燃料税の攻防
東電、発電所新規建設をすべて凍結表明/経産省内の電力自由化構想/「物わかりの悪い田舎の知事」/核燃料税引き上げの構想/「福島県はとんでもない県ですね」/「訴訟もひとつの選択肢」

第5章 国との全面対決
チラシ配りをするエネ庁課長/「エネルギー政策検討会」設置/「プルサーマルは力ずくで進める」/政策決定プロセスにおける情報公開/国民の声は反映されているか/原子力政策最大の問題点/タコツボと化している原子力委員会/原発推進は国民に対して説得力をもつのか/「原発はコストが一番安い」というまやかし/電力自由化のなかで原発は成り立つか/高経年化対策/プルトニウムバランスはとられているか/原発は地域振興になっていない/「なんで勉強会にあんな人間を呼ぶのか」/石原都知事の暴言/失望させられた原子力委員会の回答/自民党県連の申し入れ

第6章 握りつぶされた内部告発
突然のファックス/国こそが本物のムジナ/“警官と泥棒が一緒に”/原発立地自治体が東電に抗議文/東電幹部総退陣/東電という組織の病根/「中間とりまとめ」の発表/国への最後通牒/核燃料税条例改正に総務相が同意/思わず出た原子力委員会の本音/自民党本部に乗り込む

第7章 大停電が来る
福島県の「無力感」/「東京」の本音/第一原発6号機再稼動に「了」/情報公開はどこまで

第8章 「日本病」と原発政策
美浜原発で四人が死亡/スケジュールありきの原発政策/原発政策に民主主義のプロセスを/速度をあげる原子力政策/プルサーマルは福島で実施しないことを再確認/原子力安全委員が抗議の辞任

第9章 止まらない内部告発
県に続々寄せられる内部告発/「福島のトゲを抜け」/知事失脚

エピローグ 嘘を超えての再生
知事辞職後、放置された諸問題/原発事故の「元凶」/また発覚した保安院の「嘘」/ 「嘘」を超えて、リーダーシップを発揮できるか

コメント(9) スタッフ

■コメント

出版おめでとうございます。

長年の東電及び国との戦いが白日の下に晒されるわけですね。
私はもとより、県民には真実を知る権利がるはずですが・・・
今まで目隠しされていたようなものです。

福島県民には、今後の原子力政策に発言する権利がありますよね。
将来の子供たちの為に、間違った選択をしないようにしなければと思います。

この本がより多くの方々に読まれ、現在の欺瞞に満ちた日本社会に少しでも光明が差し込まれることを祈っております。

ありがとうございました。

今後のますますのご活躍をお祈りいたしております。

 『福島原発の真実』拝読しました。
 これまでの東電や国の、国策を推し進める一方的な姿勢、原発立地自治体と消費地との意識の乖離など、改めて、今の状況につながる事柄を認識しました。
 河野太郎氏、飯田哲也氏との対談でも紹介されていた、知事が在職当時に設けられた県エネルギー政策検討委員会の中間とりまとめは、現在福島県復興ビジョン検討委員会が、『脱原発』の方針を打ち出した基盤になっていると、検討委員会のサイトにありました。
 知事が尽力されたことは、現在も生きていると思いました
 もちろん、辞職されずにおられたなら、今あることはなかったのではないかとも思われます。。
 事故が起きてしまった以上、私も、福島のためになにができるか、また今後のエネルギー政策を国民が選択できる可能性を考えながら、行動していきたいと思います。
 佐藤さまも、お体お気をつけて、ますますのご活躍をお祈りしております。

福島出身、東京在住の大学生です。
立教大学での講演会でこの本の出版をお聞きしまして興味を持っていました。
ぜひ読ませていただきます。

原発が、いかに事故が多く、危機を伴っているのか、それにもかかわらず戦車のように原発運転を推し進めようとする勢力が立ちはだかっているのかが、恐ろしいほどよく分かりました。
しかもその中枢にいるのが経産省(の役人)だというから、絶句するほかありません。
現在海江田大臣が「原発」は安全だとして各立地に再稼働を呼びかけていますが、おそらく同じ役人達がこのような嘘を平気で言わしめているのでしょう。
しかしこの人達の頭はどうなっているのでしょう?チェリノブイリの事故の時は「日本はあんな杜撰なことはしていないので絶対に安全だ」と言い続けてきて、ついに今回の福島の事故が起こりました。福島という、日本の中の原発が事故を起こし、その収束が全く出来ていないのに、なぜこのようなことを平気で言えるのか、理解不可能な人たちです。
しかしまた、このような人々を野放しにし続けるマスメディアも理解できないところです。
このようなマスメディアを信じ続ける国民一人一人も不可解です。
今回の事故を顧みて、この本を読ませて頂きますと、事故ですら突然に起こる者ではなく、その予兆を何度と発しているのではないかと思います。その時に根本原因をとらえ対策を取っておけば、こんな事故にはならなかったのではないでしょうか。
そして、今回の福島の事故は、他の原発に対する予兆(警告)ではないかと思います。あまりにも辛辣ではありますが。それにもかかわらず、ほとんど誰も何の反省もせずに無闇に前に進み続ける、この国の行く先はどこなのでしょうか。原発事故に追われた私にとって、第2・第3の事故の発生までの時間はそう多くないと思うのですが。

読了しました。さらに二冊購入して知人に進呈しました。当方のブログサイトのお勧め商品欄に掲載しました。

本日読了しました。まさしく「国民必読の書」と思います。
何の期待もなく読んだのですが、心に響きました。原発に関わる権力の構造が明確に浮き彫りにされ、結果的に被害者となった福島県民の悲哀も感じます。
昨日、菅首相が脱原発を宣言しました。今後通産省との戦いがどのようになるのか、菅首相の発言を受けた政治家の目は国民に向くのか、既得権益に向くのか、党内の権力争いに終始するのか、菅首相の本気度はどの程度なのか、見逃せない局面になってきました。村上春樹氏の言うように必要なのは想像力です。被災地の苦しみを感じる能力であり、未来へ負の遺産を残さないこと、今後の佐藤さんのご活躍を心から応援いたします。

今回の事故はとても驚きました。事故後、政府の対応 県の対応 市の対応 全てに不満足でした。 情報が公開されなかった事は犯罪に近いとも思いました。 国民の指導者たる政府がこの程度の指導力しか無かった事に…安心してお任せしていた結果、見事に裏切られた自分の甘さに
驚いています。 日本はまだ民主国家ではなかった事に呆然としています。 官僚と政治の切り離しを、そしてもっと、私たちに分りやすい政治に変えて行かなければ、 絶えず上層部での利権争いにより政治はやがて、腐敗してしまうと思います。 今回 私は自分が平民なんだと…
痛感しました。 日本を変えるにも長い時間がかかってしまう。 出る杭は打たれるでは、
本当に有能な人材を失ってしまう。良心のもと人間は生きなくてはならないと思う。
経済とは恐ろしい…。
これから、佐藤さんのような方に頑張ってもらいたいと共に、次に続く国民に、青年に、
良い教育と試練が欲しいと思う。  

日本のシステムがこれ程におかしいと気付いたのは今回が初めてです。
佐藤さんの福島県民、福島県に対する一環した愛情に感銘を受けました。
この事故が起こってしまった事を誰よりも無念にお感じになられていることでしょう。
佐藤さんが今も知事であられたなら、ここまで事故を悪化させる事もなかったのではないかと思います。
そして、福島の子供が避難できるように促された事でしょう。
人間としても心を持ち、政治家としての頭脳と活動力、そして勇気を持った方が政治生命を絶たれた事。
福島県民にとっては命綱を断たれたようなものですね。非常に悔しいです。

本の中にあった佐藤さんの戦いは、広瀬隆さんの”ドイツの森の番人達”に描かれた戦いを思い出させました。
80年代にあったこの戦いの後、ドイツが脱原発に舵をきれたのはひとえにメディアの自由さ、と民主主義が機能したからだと思います。

最後の国民へのメッセージ、ありがとうございました。
しっかり受け取って、ショックな事ばかりですが、勇気と希望を持っていきたいです。