マル激トーク・オン・ディマンド 第445回
「物言う知事」はなぜ抹殺されたのか


控訴審判決記者会見の直後、ビデオニュース・ドットコムさんより、弁護士の郷原信郎氏ジャーナリストの神保哲生氏と鼎談をしないか、というお話を頂いた。

恥ずかしながら今回初めてその存在を知ったのだが、ビデオニュース・ドットコムは報道の本分を全うすべく神保氏が主宰しているインターネットの放送局だ。
 
本ブログでも先日紹介したが、郷原氏は私の事件に関して、常に公正でバランスのとれた記事を発表してくださっている。
直接お話しできる最良の機会と思い、一も二もなく承諾させていただいた。私自身は細かい法律論は元より疎く、説明に当たっては歯がゆい部分も多々あったのだが、郷原氏には今回、判決について「換金の利益」という奇妙な概念、このような矛盾を孕む判決にいたった裁判官の感覚、人間とコストを投入しすぎて退くに退けなくなった検察内部の杜撰なロジックといった点含め非常に明快に分析いただいている。

会場の郷原事務所に向かう車中で知らされたのだが、エネルギー問題の専門家、飯田哲也氏もいらっしゃったというのもうれしいサプライズであった。
飯田氏は県が2001年「エネルギー政策検討会」を作って研究を始めた時、「新エネルギー」の観点から講師としてお話を伺った人である。
事件に至るひとつの可能性として、私と国・原子力業界との対峙の姿勢を描く趣向だったのだと思うが、町村を疲弊させる麻薬のような国のエネルギー政策について、久しぶりに語らせていただいた。

C02削減と自然エネルギーの関わりが主要課題の一つである今、飯田氏は既に各所で大活躍だが、氏の重要性は今後も高まっていくことは間違いない。

少し話はそれるが、今押しも押されもせぬ自然エネルギーの権威となった飯田氏に早くから着目し、講師をお願いした県庁スタッフの着眼は素晴らしかった。
今回、飯田氏に高く評価いただいた「福島県エネルギー政策検討会 中間とりまとめ」の質の高さとわかりやすさは、中央官庁の前例主義官僚達ではとても実現できるものではない。県庁職員が一丸となって「地方」の持つ底力を示した好例である。一緒に苦労してくれた職員を誇りに思う。

今回の番組はくだけた会話での分かり易い、ニュース・コメンタリー含め、伝えるべき事実を伝える、隠された真実を伝える、というジャーナリズムのあるべき姿と気概を見せられた思いだ。

控訴審判決後、動画でも触れられているように一部の新聞を除き、ほとんどのマスコミが判決の内実を語らず有罪という表面のみ浚っている。先日の記事にも書いたように、個々の記者レベルでは「実質無罪」にせざるを得なかった判決の意味がわかっているのだ。実際に接していてわかるが末端の記者は非常に優秀な方々が多い。

それが紙面になるとき、なぜ歪むのか。デスクが…上層部が…という声も聞く。政治家は叩くべきもの、というステレオタイプな姿勢こそが、まさに検察が虚構を作り上げる基礎として利用されていることに気付く「デスク」はいないのだろうか。

そんな大勢の中、私の生の声を伝える場を設けていただき、非常にありがたく思う。

スポンサーに頼らないメディアのため本動画も視聴は有料だが、ぜひ御高覧頂ければ幸いである。

コメント(1) 佐藤栄佐久

■コメント

ビデオニュース見ました。検察や司法の抱えている問題がよく理解できました。