村木氏の無罪判決についてのブログ草稿を書いているとき、
村木事件の主任検察官によるFD証拠改竄が明らかになった
と報道がありました。
新聞でもテレビでも「信じられない」「ありえない」「検察の信頼は」等の
コメント、見出しが躍っていますが、検察と直接対峙した経験のある者としては、
全く意外ではなく、さもありなん、というのが正直な思いです。
見立てに沿わない供述は決して認めず真実とは離れたところで
供述を作文するのですから、
その延長線上にこのような行為があるのは、十分推察できるところです。
私の事件では、参考人として呼ばれた多くの人が、たとえ真実を貫こうとしても、
逮捕をちらつかせられ、
「すぐにでも会社をつぶせるぞ」「嘘でもいいから言え」「作ってでも言え」
と恫喝され、深夜まで帰してもらえなかったのは
以前のエントリーでも記述した通りです。
弟は精神的に苛め抜く取調べに耐え兼ね、「検事の意向に沿う証言をした」と
自分が認識している17日も前の日付で、「自白調書」が複数存在し、
これは一審の法廷でも「掠め取り調書」=捏造自白調書ではないかと争いになりました。
参考人として呼ばれた友人は、取り調べ検事に
「上司に報告しなければならぬので何か一つ悪口を言ってくれ」
と懇願されたといいます。
取り調べを指揮する上司=主任検事/特捜部長が
真面目な検事を真実から遠さけているとしか思えません。
検察が組織として証拠を捏造し得る証左です。
ですから、村木氏の、決して「信じ難い」ではなく、
「ここまでやるか」という言葉は理解できます。
あらかじめ決めた結論に向かい、無理やり事実を歪めてつぎはぎし、
供述調書を作成していく、検察がそのような手法をとるのは身に染みてわかった。
その流れで証拠物にまで手を付けていたのか、という思いです。
村木氏の一審無罪直後からNHKの「追跡!A to Z」をはじめとして
多くのメディアが事件全体を大阪地検のが生んだ取り調べの異常さ、
という観点で報じてきました。
「大阪地検を無くすんじゃないかという話も出ている」
とテレビで語る元検事の弁護士の方もいましたが
東京地検でも同じことが起こっているという事実を
身を以て知っている私としては信じがたい見方です。
下位組織固有の特殊性に帰結させようとする力が非常に強く
働いているのを感じておりました。
そこで今回の証拠改竄事件が発覚です。
夜のニュースでは、前田検事の映像を洪水のように流し、
個別のFDディスクデータの改竄手法や意味づけを事細かに報道していました。
個人と具体性に強くフォーカスすることで、
すでに組織の体質という全体像がぼやけはじめています。
直接の面識はありませんが、前田検事は東京地検が捜査を行った
私の事件でも取り調べを行っていました。
(一審後、虚偽の証言をしたのは間違いであった、控訴審で真実を述べたいと
宗像主任弁護士に連絡してきた水谷氏の取調べを担当していました。)
この点を取り上げるだけでも、決して大阪地検固有の問題ではありません。
このようなメンタリティを持った検事が高く評価され、
「エース」として全国の重要事件の捜査を飛び回り、
リーダー的地位を占めている、その事実の指し示す意味は自明です。
村木氏の無罪は、当然の結果です。
当然の結果でありながら幸運な事例であるとも、私は考えています。
今回の改竄事件の報道を通じ、
菅家さんの事件、爪はがし事件など無罪を勝ち取った冤罪事件が
例として挙げられていますが、
このFDは村木氏の有罪、無罪を左右するほどの力を持つ
証拠物であることを考えれば、
すでに有罪として確定している事件の中にこそ、
本当の悲劇、被害者が隠れているはず、
というところまで洞察を働かせる必要があるのではないでしょうか。
特捜検事をやめた方がテレビに出ることが多くなっています。
注意深く聞けばソフトにコメントしている言葉の端々に、
検察に連綿と現在も流れている体質の問題点が垣間見えます。
先日書いた、熊崎勝彦元東京地検特捜部長の
「黒を決して逃がすことはあってはならない」という、
推定無罪の原則を軽視する言葉もその例ですが、
今回も22日の「朝ズバ」で元東京地検特捜副部長 石川達紘氏が、
検察内でなぜこのような改竄が起こりうるのか、という文脈の中で
「最近は調べられるほうも権利意識が高まっているので、
(捜査は)難しい部分もある」
とさらりと話していました。
この言葉は捜査する側にいかに人権意識が希薄であるか、
聴取される側が、無知で大人しい相手ならば、供述を得るためには何でもやってよい、
と考えていることを間接的に示しているのではないでしょうか。
その意識こそが、特捜検察の体質、村木氏の事件、
そして私の事件をはじめとする無理筋事件の暴走の根となっているような気がいたします。
検察一体の原則、そのトップである最高検が捜査にあたるそうですが、
「前田検事の特殊な犯罪」「大阪地検固有の体質」を断罪して全てが終了しないか、
注意深く推移を見守りたいと思います。
おっしゃるとおりです。
閉ざされた世界検察内部の優等生、ハリキリボーイ前田君、大阪地検の問題に矮小化させてはなりません。
マスゴミの真実を覆い隠すしょうもないニュースに良識ある国民は騙されてはなりません。
「明明はみな明鏡なり…」という正法眼蔵(古鏡)の一節が、いつも胸底にあります。
真実は普遍であり、久遠の明鏡。そこにはいつも真実が映しだされている、と。
今回の改竄発覚は、多くの冤罪の真実を前にした必然の流れだと感じます。
これからもどうか頑張ってください。
一言、書かせて頂きます。
佐藤栄佐久氏の“知事抹殺”、堀江氏の“徹底抗戦”?、
細野氏の“公認会計士vs特捜検察”、佐藤優氏の“国家の罠”等々、
現行の刑事訴訟法の欠陥がもっと認識されるべきでしょう。
法を執行する側の裁量が広過ぎる、大き過ぎる、
容易に深刻な人権侵害が惹き起こされる、
加えて、裁判官に対しても、同様の問題があると思われます。
刑事訴訟法の改正が必要です。
そのためにも、国会(議院)は国政調査権を駆使し、
立法に繋げていくべきだ、と思います。
今回の事件において正義を象徴すべき検察の行為には、びっくりしたというより、この国は大丈夫かというどうしょうもない不安が出てきました。佐藤さまがおっしゃるとおり、この事件に関わらず、処理された事件の中でもそのような検察の偽造や権力の乱用があったのではないかと疑うのは自然な事です。この事件だけに済ませず徹底的に解明して頂きたく思います。でも最高検が偽れば、もうどこにも押さえるところがないのですよね。困ったもんですね。
警察・検察は犯人と決め付けた被疑者が無実だということが分かっても、無実だといえないのですか。村木さんの件も、「控訴断念」ではなく「判決を受け入れます。すみませんでした。」のはずです。
こうなると、狭山事件の万年筆、高知白バイ・スクールバス衝突死事故のタイヤ痕も99%ねつ造でしょう。
今回は、弁護側がディスクを鑑定に出しスクープされたので、最高検が仕方なく動き出したということでしょう。隠しとおしたかったのが本音だと思います。
こうなると、大量の隠された不正が隠ぺいされていると考えるのが当然で、一人の不見識な検察官の不正だという結論が出ても納得できません。
警察・検察も相撲協会と同じ体質なんですかね。
それにしても、当事者の中の最高責任者である最高検が調査を進めているということに、強く違和感を感じます。
証拠偽装が本当であれば、無実の人と知っていて逮捕した事になります。これって、北朝鮮の拉致問題とどう違うのでしょうか。最高検も含め、外部の者によって徹底的に調査すべきです。今の状況は、最高検が組織を守ろうと画策しているようにしか見えません。
フランスのメディアが日本の検察について取り上げています
http://www.youtube.com/watch?v=kuhAAxgTamM
訂正します
「字幕をつけた動画を紹介するコメントがありますが
この字幕は作文ですので、動画の内容とは全く関係ありません」
との事でした。ご迷惑をおかけしました。
はじめまして佐藤様、まずは嘘新聞を丸のみして、一時的にも貴方様を犯罪者と認識していたことを、申し訳なくお詫び申し上げます。阿修羅の掲示板で、あなた様が、酷い取り調べの上、冤罪で、判決された事を知りました、本も読んでみようと思います。
今日本各地で、検察、マスコミの横暴に抗議のデモが広がっております、是非メッセージを、新潟、名古屋、大阪、福岡、で11月20日~23日の間民衆の騙されていた怒りの抗議が広がってます。
是非、メッセージを、小沢真っ白でも、阿修羅でも、日々坦々さんにデモおとどけください、私でも結構です、必ずや、あなたさま方の無念は、デモで、シュプレヒコールして、国民に届くはずです。もしお時間が取れれば是非ご一緒に。冤罪で人権を奪われ想像を絶する酷い仕打ちを受けられた方々も、一つになって、私のように、覚醒していく国民を増やしていこうではありませんか。お願いいたします。