小沢氏の秘書、石川代議士の逮捕を受けて、私の事件に関しても多くのメディアで言及され、また直接取材も多数受けました。

もとより私は、金丸- 経世会体制には楯突き、真っ向から対立する形で知事になりましたので、その申し子たる小沢氏と特に親しくしていたわけでもありません。ましてや事件の背景に実際は何があるか、もしくはないのかは私は知る由もありません。

ただ、今回の事件で報じられている、(もしくは大手マスコミではあまり報じられないが、各所ブログなどで取り上げられていることから見え隠れする)のは、検察の手法は私が受けた経験と重なる部分が非常に多いということです。

私が逮捕された時の幹部検事が立場は変われど、また今回の逮捕劇に関係しているとのことで、文字通りひと事ではありません。

石川議員は1月16日に聴取に応じる約束していたにもかかわらず15日に突然逮捕されたとのことです。

私の場合は、自分は一切、疑惑として取りざたされていたことは行っていないので、まさか逮捕などされるとは思っていなかったということもありますが、ほとんど弁護士と相談する暇もなく突然呼び出され、逮捕されました。

毎日新聞に「今日逮捕へ」との予測記事が載った日の午後、家に検察から電話があり、地元のホテルの駐車場に呼び出されました。

それまでは一切、聴取なども受けていなかったので、参考人聴取だと思ってホテルに宿泊する準備をし、弁護士に「これから行ってきます」と電話で連絡したのですが、東京にそのまま自動車で移送され有無を言わさず逮捕されたのです。

「人質司法」という言葉があります。
逮捕・拘留は、逃亡、証拠隠滅の恐れがあるため、身柄を拘束することが許されるのですが、実際は弁護士という専門家の助言と情報を制限し、あらゆる手段を駆使して自分たちが組み立てた通りの供述をとるために利用されます。

突然の逮捕は、供述をコントロールするための第一歩なのでしょう。

真実を貫こうとしても、検察官の意に沿う供述をするまでは、決して保釈されません。弁護士との接見は平日に30分ほどあるのみで、検察官は拘置中、土日なく、早朝から夜半まで取調べを行います。検事が思う通りの供述が得られないと、娘が高校生になるまでここから出さない、県議、支持者を皆逮捕する、等と恫喝し、怒鳴り、机をたたき、背広を床にたたきつけたことを、弟は法廷で証言しました。

「これでは誰でも犯罪者にされてしまう」と。

その法廷で検事が証人の証言中に突然、派手に机を叩き、傍聴人も裁判官もその場にいた全ての人が肝を冷やしたことは先述のとおりですが、法廷内ですら相手を威圧する行動をとるのだから、これが密室だったらどれほどか、想像に難くありません。

私との接見の際、弁護士が「弟さんは判断能力が失われてきている」と伝えられたのを覚えています。連日、長時間の取り調べはそれ自体、精神と肉体を痛めつける物ですが、洗脳に近い効果があることを私自身も感じました。

任意の事情聴取も、密室で長時間拘束し、脅迫的、高圧的に供述を促す点では同じです。

「週刊朝日」で二週に渡り掲載されている記事によれば、石川議員に対しては、小さい子供がいる女性秘書は深夜まで事情聴取に呼ばれたら困るんじゃないか、と脅しながら供述を促したそうです。

そして、実際に「押収したものを返却する」名目で問題の事件の際にはまだいなかった女性秘書を呼び出して、突然被疑者として事情聴取をはじめ、子供保育園に迎えに行かなくてはならないと何度も訴えても、何時間も外部との連絡さえ許さず、深夜まで解放しなかったのだそうです。

時代劇の中にしか存在しないような卑劣な悪役のやり口です。
この記事が本当なら、まさに、「だまし討ち」であり、「監禁」であり、無辜の国民の生活と安全を脅かす不正義と言わざるを得ません。

私の事件でも、13時から参考人聴取が開始され、19時頃、突然「被疑者になった」旨伝えられて被疑者として調書をとられた方がいます。
これは違法だそうです。
弁護団が公判で指摘する予定だったところ、検察が証人を取り下げてきて、もめたことを覚えています。

他にも私の事件に関わる事情聴取のエピソードを幾つか挙げてみます。

ある会社社長はこう言われました。
「お前らが東京地検に喧嘩を売るなら、こちらも考えがある。
お前らみたいのはどうにでもなるんだぞ。お前には7年くらい入ってもらう。
出てきた頃は会社もなくなっているし家族もばらばらになり浦島太郎のようになるぞ。
そうならないためにも真実を話せ。」

知らない、というと
「お前の立場だったら知らないはずは無い。知らないのなら想像して言ってみろ
そして想像して言ったとしたら、どうなっていたのでしょうか。

私を支持してくれていた会社の経営者たちは、多数「会社をつぶすぞ、すぐにでもつぶせるのだ」という検事の言葉を聞いています。

経営をした方ならわかると思いますが、「お前の会社をつぶす」と言われたら、社員たちが路頭に迷わないように、何でも言うがままにならざるを得ないでしょう。国家権力であるだけに、暴力団より強力な脅しになるはずです。

また、ある後援会関係者は以下のようなやり取りをしたそうです。
「あなたが来ない場合は200人よびますがどうですか」
と電話で呼び出され

「いろんな事分かってるだろう、金のこと」
―― 一切知らない
「20年間支えてたんだから。わかってるんだろう 佐藤栄佐久はうそつきで…(罵詈雑言)…」
―― 栄佐久はすばらしいから20年間も支持してきたのだ
「とぼけるな。ふざけるなよ。 一つでもいいから(具体的に)悪いことをいえ」
―― しらない
「栄佐久の 悪いことを知ってるような人を一人くらい言え。しらないことでもいえ
「知らないこと知ってると言ってもこの部屋の中だけで外には出ない」
―― もし栄佐久がそういう人間であるなら県民を裏切ることになる
「『もし』だけ削除して調書作成していいか」

最後のやり取りは、いかにして検察官が供述を曲げて調書を作成するか明確に表しています。
この後援会の方はやり取りを詳細にメモに残していました。

最後に、
「あなたは私を人間としてみていない。
野良猫か野良犬としかあつかっていない。
人間として扱ったのか、野良猫として扱ったかったのかはっきり言ってくれ」
と言って最終電車で帰ってきたそうです。

「嘘でもいいから言え」「作ってでも言え」「想像でもいいから言え」「想像できないなら教えてやる」

検事から全く同じようなこの類の言葉を言われたということは、2,3人に留まらず身内含め私の事件で聴取を受けた多くの人から聞きました。日常的にこのような手法で供述を積み上げていくのでしょう。

妹は取り調べ中に倒れ、一時意識不明になりました。検察庁までタクシーで迎えをよび、病院の「救急救命センター」に入りました。

命の危険がありました。
通常ならその場で救急車を呼ぶ必要がある状況で、検察官は決してそれをしなかった。

私は被告人尋問で、その後妹から聞いた話を「人権を守るべき最後の砦の検察が人命までおろそかにしている」と申し上げました。

苦痛を与えて、強制的に自白させる拷問は古くから犯人探しの手段として用いられました。
近代では拷問は否定され、先進国では明確に法律で禁じられています。

何故かといえば、拷問、苦痛から逃れたいという一心から絞り出した供述は虚偽である可能性が高く、真実を追求するに当たっては、邪魔にしかならないからです。

中世の魔女狩りを見て分かるとおり、とでも書くことができればいいのですが現実は前近代的な、相手の人格を破壊することによって、望む供述を得ようとする精神的拷問は前述の通り今、起こっています。

一段落して取り調べを受けた皆さんの声を聞くにつけ、早く火を消してよかった、と本当に思います。

そのような人権を無視した取調べの結果、私の場合、一度も会ったことがないゼネコン幹部による、私が彼のことを「門さん、門さん」と呼んでいた、などという、「真に迫った」虚偽の話が生まれるのです。

そのゼネコン幹部とは法廷で「初めて」会うことを楽しみにしていたのですが、検察側は証人申請を何故か突然取り下げてしまいました。

※長くなりましたので続きを次回に書かせていただきます。

コメント(11) 佐藤栄佐久

■コメント

佐藤さんの仰るとおりです。
マスゴミは逮捕=有罪決定で被疑者を叩き潰します。
被疑者(被告人)推定無罪の原則を完全に無視するマスゴミには怒りを通り越して悲しみを感じます。
ところで、佐藤さんの名誉回復のお手伝いを僭越ながらさせていただきたいと思いまして幾つかご提案させていただきます。
まずは「ツイッター」を始めては如何でしょうか。
情報の伝達速度(伝播能力)が半端ではないほど凄いです。
※参考1
■岩上安身 (iwakamiyasumi) on Twitter
http://twitter.com/iwakamiyasumi
■Twitterの裏技“Hashtags” - @IT
http://www.atmarkit.co.jp/news/analysis/200902/16/hashtag.html
以上を参考にしてみてください。
そして情報サイトを幾つか紹介します。
※参考2
■拍手ランキング画面/阿修羅ランキング
http://www.asyura.us/hks/ranking_list.php?term=1
■お散歩アンテナ
http://www14.ocn.ne.jp/~tatara/a/
■政治選挙79
http://www.asyura2.com/10/senkyo79/
以上を参考にして、今後の名誉回復活動にお役立ちになれば幸いです。
ご健闘お祈りします。

話には聞いていましたがリアルですね・・公権力のおそろしさをかんじます。
私はこの事件(?)の頃にちらっとニュースを見て、ああまた政治家の汚職か・・という感じで興味を持ってみていませんでした(申し訳ないです)
今、小沢氏の問題で特捜などの公権力に疑問が強くなりあなたの巻き込まれた事件の事もよく見るようになりました。
よく見るようになって益々公権力に力を持たせてはまさに戦前回帰の方向に向かう、と実感しています。
本当にこうやって読ませていただくとあなたももちろん周りの方々の辛さ、苦しさは計り知れません。
是非、検察の実態とあなたの秋混まれた事件の全貌を広く世に知らしめてください。

続きをお待ちします。

はじめてブログを拝見させていただきました。
苦悩に満ちた日々をすごされ、苦しかったであろう情景が痛いほど伝わってきております。
そんな中でも多くの人たちに語りかける佐藤氏の姿勢に深い尊敬の念を抱く者であります。
感謝とともに、一筆のお礼を申し上げます。

私も、はじめてブログを拝見させていただきました。
1月中旬ころからの、石川知裕議員の逮捕の報道と新聞・テレビの報道が何か不自然で、検察の手口に関心を持つようになりました。
小生のブログ「池上技術士事務所のブログ」http://blog.livedoor.jp/yuji5327/も本来のテーマからそれて自分が著書などで入手した情報を記載するようになりました。
大新聞・テレビが真実から遠く離れていることが分かり、焦っています。インターネットのブログが頼りです。検察の犯している犯罪を誰が告発するのかが今一番の問題です。
佐藤様におかれましても、無念のお気持ちを十分にお察し申し上げます。どうか日本の正しい民主主義のために更なるご尽力を頂ければ有り難く存じます。

私も失礼ながら「また議員による汚職かぁ」ぐらいにしか認知しておりませんでした。

しかし今回の石川氏・小沢氏に対する検察官僚の捜査手法を見ていると
検察側の利権・保身など都合の悪い抵抗勢力には徹底的に叩き潰そうとする姿勢を、
なりふり構わず行ったことにより、国民が検察批判を強めたことになったと感じます。

「どんな法律を駆使してでも逮捕する」という検察の意気込みは
一歩間違えると暴挙と化します。

現在は検察の捜査をチェックする機関がありません。
本来はマスコミがその役目を果たさなければいけないのでしょうが
情報源欲しさに検察寄りの情報を使って世論誘導に加担しているだけです。

リークによる世論誘導で「検察は公平・公正・正義」だと信じ込ませることは非常に恐ろしいことです。

検察批判が高まったとはいえ、世論はまだまだ検察の捜査態勢が正義だと信じています。
裏を返せば自分たち一般市民でも、同様のケースに陥る可能性があるにも関わらず
検察の暴挙を世論が後押しするという恐ろしい風潮が続いています。

世論が検察に対する批判をもっと強めない限り、この捜査手法はいつまでも続くでしょう。

個人的には取り調べの可視化の実現を願っていますが
それを早期に実現するためにも佐藤さんのような実体験をされた方が
声を大にしてあらゆるメディアを駆使して真実を述べられることを期待します。

応援しています。頑張ってください。

私は今の検察が「怪物化」しているような気がします。

かって軍部が怪物化しました。結果日本の工業地帯が焦土になりました。宗教も怪物化しました。地下鉄に人類史上初めて化学兵器テロがなされました。そう考えると強力な権力を保持する検察が怪物になるというのは許せません。

私もできる範囲で闘います。私は佐藤さんの名誉回復闘争を支持します。

佐藤 栄佐久様
植草さんのブログから始まって現在はこうして佐藤栄佐久様のブログ、阿修羅、小堀様のブログ、鈴木宗男様のブログいろいろ見てます。
こうして本当の真実を語ってることを新聞、マスコミ等でまったくと言っていいほど取り上げない。とにかく驚きと今までの自分の考え方が全面的に変わってきております。検察の醜い人間性に同化させられ、民主主義を柱とする行政をメチャメチャしていることに憤りを覚えます。
 また、佐藤栄佐久様がどのように知事として行政をリードしてきたのかをこの機会に分かりました。本当に懸命な人で、福島県の人々は誇りにできる人を持って幸せだろうな。と思います。まだまだ活躍される人ですので、応援いたしております。

佐藤 栄佐久先生
初めて便りを書かさせて頂きます、自分の母方の家系の初祖は福島県の信夫地方より起こっており、その父親は源 義経公の郎党として身代わりとなり京都堀川で主君の代わりとなり討ち死にした佐藤 忠信であります、長男の佐藤 清忠が頼朝公の近臣となり当時の長門の国・赤間ケ関の近くに所領を頂きその後、複雑怪異な中央政権の政情を鑑みて所の地名を取り" 関 "と名字を変えました、以来八百有余年、神奈川県小田原、又群馬県藤岡を経て現在は群馬県吾妻郡沢渡に嫡流の家があり、代々大岩不動尊という寺の別当として今日迄来ております、自分の先祖は約四百年前にそこの二男として分家し、四万温泉の近くに居を構えて来ました。故に佐藤という名字には特別の思い入れを感じます、奥州御館藤原氏の親戚としてしっかり陸奥・信夫地方に根を張り、当時の鯖湯の領主として近在の方々に善政を尽くされたという佐藤家の歴史を振りかえさせて頂く時、現在でも時の政権に媚を売ることなく堂々と正論にくみし施政を行おうという姿勢を持たれ実践されていられる一族の方々の有り様に畏敬の想ひを益々持つばかりです。今後ともしっかり中央政権の非道理な要求に毅然として立ち向かわれるようとする実践に唯敬意を表するばかりです、有難ふ御座いました。 辰 夫拝

いんちき、うそ、デマ、そして多くがデマゴミによって日本人は騙されている、その中の一人であった事を先ずはじめにお詫び申し上げます。このような犯罪国家であることを知る人はごく少数でしょう、しかし政権が交代したことは一筋の光明のようにも思います、このような人物(悪人から悪人と言われることこそ善人であることの証明)がこの日本に実在している事実、この国が悪人(欲得のみの人間性を失った人間)で充満する前に踏みとどめたい、当たり前のひとが人としてあたりまえに生きて人として当たり前に暮らす当たり前の日本に。

日本の国家がこのような道徳心のない黒い輩に牛耳られ、元をたどれば米国だということに気がついたのは遅かったですが、今ならまだ間に合うのではないかと前向きに考えたいです。私たちにできることは何なのか、真剣に考え、恐ろしいほどに狡猾な相手に立ち向かわなければなりませんね。心あり、正義感ある政治家が抹殺された(N氏)そんな世界です。知恵を出し合って、良心で生きていける日本を再構築する手つだいをしたいです。みなさん、頑張りましょう!!

自分は白河市生まれ、福島医大を卒業後は研修した後、現在は開業医として栃木県で働いています。しかし自分を医師にまで育ててくれた福島県へのご恩は忘れたことがありません。

65歳で一旦開業医を離れ、10年間は福島県の僻地でお礼奉公しようと常々意識しておりました。

今回の一連の事故と先生の御著書とを照らし合わせれば、直ぐに国策捜査であったかと判ります。万一最高裁が先生の無罪判決を出さなかったら、この国はもうおしまいです。
先生の完全無罪を信じて疑いません。
自分も自分で出来る範囲で福島の再興を応援させていただきます。