最高裁判決を受けて各社に配布したコメントをブログにも掲載させていただきます。

平成24年10月16日
佐藤栄佐久


 本日10月16日、最高裁判所は、私、佐藤栄佐久の上告を棄却する決定を下しました。

 私は、この裁判で問われている収賄罪について無実であり、最高裁の決定には到底、承服できません。真実に目を背けるこの国の司法に対して、大変な失望を感じています。

 そもそも、この事件は「ない」ものを「ある」とでっち上げた、砂上の楼閣でした。
 私と弟は収賄罪で突然逮捕され、世間から隔絶された東京拘置所の取調室で、東京地検特捜部の検事から身に覚えのない自白を迫られました。
 私の支持者たちが軒並み特捜部に呼び出されて厳しい取り調べを受けている、それによって自殺未遂者も出ている。私は独房の中で悩み、そして、「自分ひとりが罪をかぶって支持者が助かるなら」と、一度は虚偽の自白をいたしました。

 しかし裁判が始まると、収賄罪の要件は次々に崩れていきました。私が知事室で土木部長に発したという「天の声」は、不可能とのアリバイが証明されました。また、「知事への賄賂で弟の会社の土地を買った」と証言したサブコン水谷建設の水谷功元会長は、「検事との取引でそう証言したが、事実は違う。知事は潔白だ」と証言しています。特捜部の描いた収賄罪の構図は、完全に崩れてしまいました。

 私の弟は、東京拘置所の取調室で、担当の検事からこんなことを言われていました。
「知事は日本にとってよろしくない。いずれ抹殺する」
 今にして思えば、これが事件の本質だったのかも知れません。

 私は知事在任中、東京電力福島第一・第二原発での事故やトラブルを隠蔽する、国や電力会社の体質に、福島県210万県民の安全のため、厳しく対峙していました。国から求められていたプルサーマル実施についても、県に「エネルギー政策検討会」を設置して議論を重ね、疑義ありとして拒否をしていました。事件は、このような「攻防」を背景に起きました。
 大変残念ながら、その後プルサーマルを実施した福島第一原発3号機を含む3つの原子炉が、福島原発事故でメルトダウンを起こし、私の懸念は、思っても見ない形で現実のものとなってしまいました。私たちのかけがえのない「ふるさと福島」は汚され、いまも多くの県民が避難を余儀なくされる事態が、いまだ進行中です。苦難を余儀なくされ、不安のうちに暮らしている県民を思うとき、私の胸はひどく痛みます。

 一方、私の事件の直後に起きた郵便不正事件のフロッピーディスク証拠改竄事件の発覚によって、特捜部の、無理なストーリーを作っての強引な捜査手法が白日の下にさらされました。フロッピー改竄事件で実刑判決を受け、服役した前田恒彦検事は、私の事件で水谷功氏を取り調べ、水谷氏に取引を持ちかけた検事その人なのです。

 当然、私の事件はすべて洗い直され、私には無罪判決が言い渡されるべきでした。
 しかし、最高裁は私と検察側双方の上告を棄却した、そう聞いています。
 確定した二審判決である東京高裁判決は、大変奇妙なものでした。私と弟の収賄を認めたにもかかわらず、追徴金はゼロ、つまり、「賄賂の金額がゼロ」と認定したのです。そして判決文では、「知事は収賄の認識すらなかった可能性」を示唆しました。ならば無罪のはずですが、特捜部の顔も立てて、「実質無罪の有罪判決」を出したのです。
 今日の決定は、こんな検察の顔色を伺ったような二審判決を、司法権の最高機関である最高裁判所が公式に認めたということなのです。当事者として、こんな不正義があってよいのかと憤ると同時に、この決定は今後の日本に間違いなく禍根を残すと心配しています。

 福島県民の皆様。日本国民の皆様。
 私は、弁護団とも相談しながら、今後とも再審を求めることを含めて、無罪を求める闘いを今後も続けていきます。どうか、お心を寄せていただきますようお願い申し上げます。

※前田検事に関する記述部分は本人からの疑義の指摘を受け、事実関係が確認できなかったため、抹消線を引かせていただきます。別途記載したエントリーをご覧下さい。

コメント(12) スタッフ

■コメント

著書を読み、貴殿の無実を100%信じるようになった者です。

検察、裁判所の腐敗のすさまじさは絶望的なほどですが、佐藤先生が、体験なさったことお、主張し続けていることを、ぜひ、何ら変わることなく、いえ、このような理不尽な司法の仕打ちを受けたからこそ、多くの冤罪被害者の代弁者として、今後も、ますます、声を大にしていただきたいと願っています。

そのためにも、どうぞ、ご自愛なさってください。

応援しています。

わたしは信じています。負けないでください。

佐藤栄佐久さんを全面支持します。
それにしても、問題の本質にきちんと切り込んだのは、河北新報だけ。
それに対して地元紙の取り上げ方は、この事件を早く風化させ、過去のものにしようとの意図が感じられて仕方ない。
最高裁が判断し決めたことだから、それに従うのが当たり前、とさえ聞こえる。この裁判に限らず、この間、東京地検特捜部も含めた検察の、思い込みや自作自演によるでたらめ捜査の数々が明るみに出て、一方で判検交流など名ばかり、ほとんどの裁判官は検事調書の追認の判断をしてきた現実も指摘されているではないか
“吾こそは正義の味方”という思い上がり、勘違い権力に対し、抑制のブレーキをかけ、軌道に戻すのがメディアの存在意義なのに。

 こんなことを許せば、民主主義も司法も死にます 

信じ
ています。最後まで応援します。がんばってください

私は、栄佐久さんの無実を信じることができます。それは、原発を止めたからです。
プルサーマル計画を凍結したからです。
そして、原発ムラからのすさまじい嵐を受けたからです。
権力に眼をつけられたからです。
だからこそ正義を感じるのです。
今回の原発事故で国の嘘を痛感させられました。
過去の裁判が、100パーセント原子力推進に都合の良い判決をしていることを知りました。
最高裁でさえ、正義の判決はしないことに愕然としました。
国策にのっとった判決をしないと裁判長にリスクがあるのです。
日本は体裁だけの民主主義で、根底は、民主主義社会でないことも知りました。
今なお、国民をだまし、そして我が福島県も、県民を貶めていることも知りました。
あまりの虚偽転倒な社会です。
おかげで目覚めました。
今、この時、有罪の確定を出したことで、国の正体が暴露したと思っています。
民意を無視し、原発再稼動のゴーサインです。
皆、福島県民の本心は、栄佐久さんは、はめられた、と言っています。知っています。
巷の評判です。
皆、本心で、栄佐久さんを本当に尊敬していることを知って欲しいです。
言語に絶する苦しみを潜り抜けられ、本当に心が痛みます。
だからこそ、私のような県民が沢山いることを本当に本当に信じてほしいです。
栄佐久さんの絶対正義を心から信じられるのです。
この国の傲慢の鼻っ柱を打ち抜いてやりたいです。

私は栄佐久さんを全面的に支持します。
あなたがまた知事になってくれないか若しくは郡山市長にと思っています。

今の状況下では無理なことも分かっています。それでも…

今、県内の長にイエスマンは要らないと思います。

あなたのような国相手に断固反対できるような強い意思の人物が必要なのです。


がんばってください。


最高裁の不条理な決定にめげておられないご様子を知り嬉しい限りです。

5年前に、東京高裁で同様な苦汁を飲まされたものです。どうか挫けずに踏ん張ってください。
私も自身の潔白のために生涯がんばるつもりです。

お体に気をつけて、頑張ってください。応援しています。それから、福島県の子どもたち、早く県外に出してあげないと大変です。今の知事は最悪です。
日本は福島のような美しい県を失いました。福島だけではありませんが。領土を放射能によって失いました。尖閣や竹島の比ではありません。諦めて、子供たちだけでも逃がしてあげたいです。

 福島県民を守ろうとした人が罪人にされ 福島県民の頭に放射能をばらまいた奴らは一人も牢屋に入らない 今は誰が敵か味方かはっきり見える

佐藤栄佐久様、
12月16日最高裁判所裁判官国民審査で、あなた様に有罪判決を下した第一小法廷所属の判事達に、×を付けることしか今は力になれず、悔しい思いでいっぱいですが、いつか無罪という正しい判決がなされることを信じています!これからも応援していきます!!