知事抹殺

最高裁を受けての私のブログエントリーに元検事前田氏から疑義が示されました。

前田氏に言及した部分(「前田恒彦検事は、私の事件で水谷功氏を取り調べ、水谷氏に取引を持ちかけた検事その人なのです」)に関し、事実は異なるとFacebook記事での指摘をうけ、手元の裁判資料を仔細に確認したところ、確かに前田氏サインの調書は内容が薄く、水谷氏に関して事実関係の核心となる調書の署名は前田氏の調書の後の日付で、森本宏検事さらに、包括的に事実を構成する詳細な調書は佐久間佳枝検事名にて作成されておりました。

森本、佐久間両検事は取調べの頃から、名前が強く記憶に残っている検事です。(※)

逆に前田元検事に関しては厚労省、村木さんの事件で初めて名を知り、水谷氏の取調検事という私の事件との具体的接点ものちの報道を通じて知った、というのが思い返せば、正直なところで、検察不祥事の初期のシンボルとなった前田氏の名前を水谷証言とリンクさせ挙げたことは、事実に基づかず、落ちた犬を叩く報道を自ら体験したものとして、また真実追及を希求する当事者として安易でした。

水谷氏に「取引を持ちかけた」検事が誰であったかは調書をとった上記3人の一人であろうとしか言えない旨、お知らせた上で、当該部分を抹消線にて訂正させていただきます。


森本宏検事は、日本にとってよろしくない知事を「抹殺する」、の発言その人で、その人格を破壊するような取調べ手法に関して、一審の法廷でもその調書の任意性を問うべき証人として出廷しておりました。また佐久間佳枝検事が私の旧友である事件とは無関係な経営者に対して行った精神的拷問のような取調べは当事者本人からの話で当時より強く印象にのこっております。

「地検を敵に回すのは国家を敵に回すということだ。あなたの会社は絶対つぶす」といった、佐久間佳枝検事の言葉のメモは今読み返しても、その卑劣さ非道さに激しい憤りが蘇ってまいります。

ただ、これは検事個々のパーソナリティの問題ではなく、男女問わず個別の検事を挙げてみれば、それぞれが全て同じベクトルで、ごく普通の罪のない人々に、逃げ場のない密室で激しい精神的圧迫を加えていったのだ、ということは当初から実感として感じておりました。これはやられてみなければ信じがたいが、取り調べられた者にとっては常識なのではないでしょうか。

私は、官僚には顔が無い、と申し上げてまいりました。それは役職、役所の名前の後ろに隠れ、一切責任をとらない体質を指摘したものです。

私の事件とほぼ同じ構図の村木さんの事件、そして陸山会事件、他にも多数あると思われる表出していない冤罪事件について、虚構の自白の強要、調書・証拠の捏造、隠蔽は検察官個人にその責を帰して収束すべきものではありません。

はじき出され、訴追された前田氏の後ろで、自分に光が当たらず、胸をなでおろしている多数の検事が、自分の行っている不正義に気づきもしない検事が今も検察庁にいます。

陸山会事件の最高検報告書を見てもわかる通り、トップから変わらぬ検察組織の構造的体質をこそ、変えなければなりません。

コメント(1) 佐藤栄佐久

最高裁第一小法廷には、5人の裁判官が所属しており、その中に、私の事件に検事としてかかわった横田尤孝氏がいます。

次長検事として当時の特捜部長大鶴氏の捜査をコントロールすべき立場であった人で、起訴の判断にもかかわっていたでしょう。「審理には加わらなかった」旨、あえてエクスキューズが添えられておりましたが、かなり高位の検察側の当事者がいわばチームの一員として所属している法廷で裁かれる、というのはたして公正でありうるのか、疑問に思います。

私は知事時代、県民の立場で霞が関の多くの役所と道州制、原子力政策等を通じ激しく対立してまいりました。

裁判長の桜井龍子氏は労働省の局長を務めたたたき上げの行政官であり、いわば最高裁にあって官僚の象徴ともいうべき判事です。

霞が関を代表するような裁判長が私を裁くことはもとより、真実の追求・解明よりも、SOPを基本行動原理として動く官僚を裁判長とした法廷に、かくも複雑かつ重要な問題をはらむ事件を付す、というのも大きな恣意性を感じざるを得ません。

事件当事者の検事が属し、前例主義の官僚をリーダーとした法廷は、あえて検察捜査の在り方に大きな疑義が提示されている時期にありながら、それをチェックせずに追認するという、旧態依然とした司法の流れのまま「判断しない」結論をだすには最適な場所だったのではなかったでしょうか。

棄却、という前回の裁判を引き継いだ結論ですので、先のコメントのとおり判断に関して私の申し述べたいことは高裁判決と変わりません。司法の外、常識という観点で見るならば収賄の事実などは一切なかったのであり、私は潔白です。

高裁の時と異なるのは、行政=検察のチェック機関としての「司法」下級審のチェック機関としての「三審制」は機能していないという点に深く絶望した、という点です。

私は各所で、震災で顕在化した「人材の劣化」「統治機構の劣化」について申し上げてきましたが、最後の拠り所となるべき司法についても同様の思いを持たざるを得ません。

昨今も一切犯罪にかかわりのない潔白の人間が、なぜか詳細な自白をする、という事件が起こっています。
これは、もとより警察・検察による捜査取り調べを追認する機関に退化した司法が根となった劣化です。

私は知事時代、原子力政策をはじめとして惰性で突き進む巨大なブルドーザーのようなと霞が関と闘い、そして同じように、真実の在り処なぞものともせず、無辜の人間の人格を破壊しながらフィクションである自白、起訴、有罪へと理性なく突き進む検察とも闘ってまいりました。

いま日本を揺るがしている原子力政策と、検察-司法、二つの劣化を当事者として、文字通り身を以て経験した私が、止まらず闘い続けること、声を上げ続けることが、日本の劣化を食い止める楔となると信じております。

お力添えをお願い申し上げます。

コメント(4) 佐藤栄佐久

最高裁判決を受けて各社に配布したコメントをブログにも掲載させていただきます。

平成24年10月16日
佐藤栄佐久


 本日10月16日、最高裁判所は、私、佐藤栄佐久の上告を棄却する決定を下しました。

 私は、この裁判で問われている収賄罪について無実であり、最高裁の決定には到底、承服できません。真実に目を背けるこの国の司法に対して、大変な失望を感じています。

 そもそも、この事件は「ない」ものを「ある」とでっち上げた、砂上の楼閣でした。
 私と弟は収賄罪で突然逮捕され、世間から隔絶された東京拘置所の取調室で、東京地検特捜部の検事から身に覚えのない自白を迫られました。
 私の支持者たちが軒並み特捜部に呼び出されて厳しい取り調べを受けている、それによって自殺未遂者も出ている。私は独房の中で悩み、そして、「自分ひとりが罪をかぶって支持者が助かるなら」と、一度は虚偽の自白をいたしました。

 しかし裁判が始まると、収賄罪の要件は次々に崩れていきました。私が知事室で土木部長に発したという「天の声」は、不可能とのアリバイが証明されました。また、「知事への賄賂で弟の会社の土地を買った」と証言したサブコン水谷建設の水谷功元会長は、「検事との取引でそう証言したが、事実は違う。知事は潔白だ」と証言しています。特捜部の描いた収賄罪の構図は、完全に崩れてしまいました。

 私の弟は、東京拘置所の取調室で、担当の検事からこんなことを言われていました。
「知事は日本にとってよろしくない。いずれ抹殺する」
 今にして思えば、これが事件の本質だったのかも知れません。

 私は知事在任中、東京電力福島第一・第二原発での事故やトラブルを隠蔽する、国や電力会社の体質に、福島県210万県民の安全のため、厳しく対峙していました。国から求められていたプルサーマル実施についても、県に「エネルギー政策検討会」を設置して議論を重ね、疑義ありとして拒否をしていました。事件は、このような「攻防」を背景に起きました。
 大変残念ながら、その後プルサーマルを実施した福島第一原発3号機を含む3つの原子炉が、福島原発事故でメルトダウンを起こし、私の懸念は、思っても見ない形で現実のものとなってしまいました。私たちのかけがえのない「ふるさと福島」は汚され、いまも多くの県民が避難を余儀なくされる事態が、いまだ進行中です。苦難を余儀なくされ、不安のうちに暮らしている県民を思うとき、私の胸はひどく痛みます。

 一方、私の事件の直後に起きた郵便不正事件のフロッピーディスク証拠改竄事件の発覚によって、特捜部の、無理なストーリーを作っての強引な捜査手法が白日の下にさらされました。フロッピー改竄事件で実刑判決を受け、服役した前田恒彦検事は、私の事件で水谷功氏を取り調べ、水谷氏に取引を持ちかけた検事その人なのです。

 当然、私の事件はすべて洗い直され、私には無罪判決が言い渡されるべきでした。
 しかし、最高裁は私と検察側双方の上告を棄却した、そう聞いています。
 確定した二審判決である東京高裁判決は、大変奇妙なものでした。私と弟の収賄を認めたにもかかわらず、追徴金はゼロ、つまり、「賄賂の金額がゼロ」と認定したのです。そして判決文では、「知事は収賄の認識すらなかった可能性」を示唆しました。ならば無罪のはずですが、特捜部の顔も立てて、「実質無罪の有罪判決」を出したのです。
 今日の決定は、こんな検察の顔色を伺ったような二審判決を、司法権の最高機関である最高裁判所が公式に認めたということなのです。当事者として、こんな不正義があってよいのかと憤ると同時に、この決定は今後の日本に間違いなく禍根を残すと心配しています。

 福島県民の皆様。日本国民の皆様。
 私は、弁護団とも相談しながら、今後とも再審を求めることを含めて、無罪を求める闘いを今後も続けていきます。どうか、お心を寄せていただきますようお願い申し上げます。

※前田検事に関する記述部分は本人からの疑義の指摘を受け、事実関係が確認できなかったため、抹消線を引かせていただきます。別途記載したエントリーをご覧下さい。

コメント(12) スタッフ

■5月13日(金)18:30よりアジア記者クラブ主催の講演会にてお話させていただきます。
 「『福島原発の事故は人災だ』 私の逮捕も含めて全てを語ろう 」
場所、参加費など詳細はアジア記者クラブのサイトをご覧ください。(4/25更新)

■5月15日(日)ロフトプラスワンにて飯田哲也氏+河野太郎氏のトークライブに参加が決定しました。詳細はロフトプラスワン5月のスケジュールをご覧ください。(4/18更新)


『知事抹殺』(平凡社)オンライン、書店にて購入が可能になりました。
大変お待たせいたしました。
本書では憶測や推測を排し、事実を記述しております。
ぜひ、ご一読いただければ幸いです。(4/15更新)
■Amazon.co.jp
■オンライン書店ビーケーワン


近く、佐藤栄佐久本人の記事をアップさせていただきますが、取り急ぎ、現在取材を受け掲載されているメディアを下記に挙げさせていただきます。(4/25更新)

【オンライン閲覧可能な出演・記事】
外国人特派員協会記者会見:VideoNews.com
 通訳部分を除いたダイジェスト版:FACTAonline
 2011年4月18日
The Japan Times
 Ex-governor blasts Tepco's cozy ties
 Thursday, April 7, 2011
 By JUN HONGO

時事ドットコム
 特集:原発事故は人災
PJニュース
 「『経産省から保安院の分離』は遅すぎた」
 2011年04月12日 高橋 健太郎
The Journal:金平茂紀の「茫界偏視」
 内部告発者を東電に通報していた保安院
 2011年4月 8日
ビデオニュース
 マル激トーク・オン・ディマンド 第518回(2011年03月18日)
 日本の何が揺らいでいるのか
岩上安身氏インタビュー
 2011年3月20日
毎日新聞
 福島原発:「天災ではない」
 2011年4月4日 岩佐淳士、松本惇
The Wall Street Journal
 原子力監督機関と電力会社は一心同体
 2011年 3月 28日 17:52 JST
 記者: Yuka Hayashi

Le Monde
 Eisaku Sato, ex-gouverneur de la prefecture de Fukushima
 "La catastrophe actuelle a ete provoquee par l'imprudence des hommes"
 28.03.11
 Propos recueillis par Philippe Pons

The New York Times
 Japan Extended Reactor’s Life, Despite Warning
 By HIROKO TABUCHI, NORIMITSU ONISHI and KEN BELSON
 Published: March 21, 2011

【雑誌新聞等掲載】
◆北海道新聞【NEW】
 原発は麻薬 財政圧迫・国策破綻 事故は人災
 島田 季一 2011年4月24日
週刊金曜日 2011年4月22日 844号【NEW】
 「原子力政策全体の体質・体制が問題」
月刊FACTA 2011年5月号
 原発への危惧が的中 天仰ぐ「冤罪」前知事
週刊東洋経済 2011年4月23日号
 「県民は国と東電に裏切られ続けてきた」
財界ふくしま 5月号
 「相手は国だ。間違えるな」
週刊ダイヤモンド 2011年4月16日号
 「安全を信じ込ませた国も東電も責任を持て」
週刊朝日 2011年4月8日増大号
 「国民を欺いた国の責任をただせ」
週刊エコノミスト 2011年4月5日特大号
 インタビュー「原発事故は起こるべくして起こった」
サンデー毎日 2011年4月3日号
 ◇私に寄せられた内部告発の中身 
 「原発政策、政治家は関与できず霞が関の独裁だ」
週刊文春 3月31日号

コメント(27) スタッフ

村木氏の無罪判決についてのブログ草稿を書いているとき、
村木事件の主任検察官によるFD証拠改竄が明らかになった
と報道がありました。

新聞でもテレビでも「信じられない」「ありえない」「検察の信頼は」等の
コメント、見出しが躍っていますが、検察と直接対峙した経験のある者としては、
全く意外ではなく、さもありなん、というのが正直な思いです。

見立てに沿わない供述は決して認めず真実とは離れたところで
供述を作文するのですから、
その延長線上にこのような行為があるのは、十分推察できるところです。

私の事件では、参考人として呼ばれた多くの人が、たとえ真実を貫こうとしても、
逮捕をちらつかせられ、
「すぐにでも会社をつぶせるぞ」「嘘でもいいから言え」「作ってでも言え」
と恫喝され、深夜まで帰してもらえなかったのは
以前のエントリーでも記述した通りです。

弟は精神的に苛め抜く取調べに耐え兼ね、「検事の意向に沿う証言をした」と
自分が認識している17日も前の日付で、「自白調書」が複数存在し、
これは一審の法廷でも「掠め取り調書」=捏造自白調書ではないかと争いになりました。

参考人として呼ばれた友人は、取り調べ検事に
「上司に報告しなければならぬので何か一つ悪口を言ってくれ」
と懇願されたといいます。

取り調べを指揮する上司=主任検事/特捜部長が
真面目な検事を真実から遠さけているとしか思えません。
検察が組織として証拠を捏造し得る証左です。

ですから、村木氏の、決して「信じ難い」ではなく、
「ここまでやるか」という言葉は理解できます。

あらかじめ決めた結論に向かい、無理やり事実を歪めてつぎはぎし、
供述調書を作成していく、検察がそのような手法をとるのは身に染みてわかった。
その流れで証拠物にまで手を付けていたのか、という思いです。

村木氏の一審無罪直後からNHKの「追跡!A to Z」をはじめとして
多くのメディアが事件全体を大阪地検のが生んだ取り調べの異常さ、
という観点で報じてきました。

「大阪地検を無くすんじゃないかという話も出ている」
とテレビで語る元検事の弁護士の方もいましたが
東京地検でも同じことが起こっているという事実を
身を以て知っている私としては信じがたい見方です。

下位組織固有の特殊性に帰結させようとする力が非常に強く
働いているのを感じておりました。

そこで今回の証拠改竄事件が発覚です。
夜のニュースでは、前田検事の映像を洪水のように流し、
個別のFDディスクデータの改竄手法や意味づけを事細かに報道していました。

個人と具体性に強くフォーカスすることで、
すでに組織の体質という全体像がぼやけはじめています。

直接の面識はありませんが、前田検事は東京地検が捜査を行った
私の事件でも取り調べを行っていました。
(一審後、虚偽の証言をしたのは間違いであった、控訴審で真実を述べたい
 宗像主任弁護士に連絡してきた水谷氏の取調べを担当していました。)

この点を取り上げるだけでも、決して大阪地検固有の問題ではありません。

このようなメンタリティを持った検事が高く評価され、
「エース」として全国の重要事件の捜査を飛び回り、
リーダー的地位を占めている、その事実の指し示す意味は自明です。

村木氏の無罪は、当然の結果です。
当然の結果でありながら幸運な事例であるとも、私は考えています。

今回の改竄事件の報道を通じ、
菅家さんの事件、爪はがし事件など無罪を勝ち取った冤罪事件が
例として挙げられていますが、
このFDは村木氏の有罪、無罪を左右するほどの力を持つ
証拠物であることを考えれば、
すでに有罪として確定している事件の中にこそ、
本当の悲劇、被害者が隠れているはず、
というところまで洞察を働かせる必要があるのではないでしょうか。

特捜検事をやめた方がテレビに出ることが多くなっています。
注意深く聞けばソフトにコメントしている言葉の端々に、
検察に連綿と現在も流れている体質の問題点が垣間見えます。

先日書いた、熊崎勝彦元東京地検特捜部長の
「黒を決して逃がすことはあってはならない」
という、
推定無罪の原則を軽視する言葉もその例ですが、
今回も22日の「朝ズバ」で元東京地検特捜副部長 石川達紘氏が、
検察内でなぜこのような改竄が起こりうるのか、という文脈の中で
「最近は調べられるほうも権利意識が高まっているので、
 (捜査は)難しい部分もある」
とさらりと話していました。

この言葉は捜査する側にいかに人権意識が希薄であるか、
聴取される側が、無知で大人しい相手ならば、供述を得るためには何でもやってよい、
と考えていることを間接的に示しているのではないでしょうか。

その意識こそが、特捜検察の体質、村木氏の事件、
そして私の事件をはじめとする無理筋事件の暴走の根となっているような気がいたします。

検察一体の原則、そのトップである最高検が捜査にあたるそうですが、
「前田検事の特殊な犯罪」「大阪地検固有の体質」を断罪して全てが終了しないか、
注意深く推移を見守りたいと思います。


コメント(9) 佐藤栄佐久

大変時間がたってしまいましたが、昨年12月、会津の「知事抹殺」出版記念で行われた神保哲生氏、下村満子氏の講演をアップいたしました。

メディア、ジャーナリズムの体質と倫理が遡上にあがって久しいですが、
気鋭のジャーナリストお二人のお話はジャーナリストの職業倫理と矜持が感じられる価値の高いものだと考えますので共有させていただきます。
・下記のリンクをクリックいただくとWindows Media Playerがたちあがります。

★神保哲生氏
 ・講演【前半】35分37秒
 ・講演【後半】34分04秒

★下村満子氏
 ・講演 24分32秒

講師のお二方に、改めて御礼申し上げます。

コメント(0) スタッフ
少し時間が経ってしまいましたが、昨年10月に郡山で行われた「知事抹殺」出版記念懇親会の講演音声をアップいたしました。
・下記のリンクをクリックいただくとWindows Media Playerがたちあがります。

★手嶋龍一氏による講演
※申し訳ありません冒頭が少しきれてしまっております。

★宗像主任弁護士による講演
※本講演は二審判決前に行われたものです。
 高裁判決において検察の問題とした土地の取引額は妥当であり、賄賂額は0円であると認定されています。



手嶋氏の激励と、宗像弁護士の熱のこもった意気込みをぜひお聞きください。
コメント(4) スタッフ

橋本大二郎 前高知県知事の拙著への書評を掲載させていただいた。

過日、「福島のつどい」で手嶋龍一氏が、
「福島県以外の地方紙の読者は、共同通信配信のこの書評を読んでいる。
 何故か、最も読まれるべき福島県の地方紙のみが、この書評を掲載していない。
 ぜひ、福島県の方に読んでいただきたい」
とおっしゃっていた書評である。

私自身も米子の友人がくれた手紙で初めて掲載を知り、わざわざ送ってもらって読んだ。

私は「知事抹殺」で、知りうることのみを記した。

私自身がどのような思想を持ち、何を考え、政治家として、知事としてどのように行動してきたか、そして何が起こったかを、叙事的に綴った。

憶測や推測による背景の謎解きにはもとより興味はないが、そういったものを交えず書いたつもりである。
その点では、娯楽や陰謀論、国策捜査の声高な告発を期待する方には、明らかに物足りないかもしれない。

知りうる確実な事実のみで構成した、私の法廷外「証言」である。
そういった意味で、橋本氏の書かれたように「自分が裁判員になったつもりで、」
読んで頂ければ幸いである。

橋本氏が知事になる前、四元義隆氏が橋本氏を高知県知事に立候補を勧めているとの話を伺い、驚いたのを記憶している。当時は田中派から分派して絶大な権力を持っていた金丸氏に対抗してのことだ。

「知事抹殺」でも少し触れたが、四元氏は戦後政治の中で総理のご意見番をしながら本気で日本の行く末を考え、志ある若い政治家を見出し、育てようとした方だった。
橋本氏は見事な戦いぶりで知事になられた、知事会でも独自の考えを持ち行動されていたのを覚えている。

的を射た書評を頂き、感謝申し上げる。

しかし「てぬかりがあった」との御指摘に対して、あえて一言付言するならば、検察が問題とした弟の土地取引に関しては、正式に不動産業者を介し、つまり売買記録が全て残る形で、利用価値の高い土地を適正な市場価格で売却したのである。それは控訴審で認定された事実であり、なんら疾しい点は一切ないことははっきり申し上げておく。

先のエントリー「控訴審判決をうけて」を御一読いただきたい。

土地取引の事実さえ私が知らされていなかったことは既述の通りだが、そこまでも正しく認定されるのであれば、「てぬかり」以前に、争点の一つである以上、そのまま私は無罪であるということに他ならない。

コメント(1) 佐藤栄佐久

橋本大二郎氏の書評が先日、共同通信社より一部地方を除く地方紙に配信されました。
御厚意により、全文転載させていただきます。
--
佐藤栄佐久著「知事抹殺」

 著者とは、15年近くにわたって、全国知事会で席を同じくした。
 国の原子力政策を批判し、分権なき道州制のもくろみに、
 鋭く立ち向かっていた姿が思い出される。

 本書にも、原発の核燃料税を、条例の改正によって引き上げることを
 てこに、原子力政策の透明化と、
 原発が立地する自治体の発言力の確保を国に迫っていく過程が描かれている。

 その闘う知事が、ダムの発注をめぐる汚職事件で逮捕され、係争中だ。
 国と激しく戦った結果、国にしっぺ返しを受けたというのが、著者の思いだ。
 
 自らの経験から考えても、入札制度の改革と情報公開が進む中、
 あからさまな「天の声」で、入札業者が決まることは、通常起こり得ない。

 ただ、業界内の談合で決まった落札予定者が確実に入札に参加できるよう、
 入札の条件を工夫する余地は、行政の側に残されている。
 そこに、業界の意を体した、「天の声」が介在し得るわけだが、本件でも、
 検察側の主張は、こうした組み立てになっている。

 では、この業界は、なぜ談合の習慣から抜けきれないのか。それは、その方が、
 技術力やコスト削減の努力で競争するよりも楽だし、
 それが、多くの同業者が生き残るための、必要悪だと割り切っているからだ。
 そうなると、制度を改めるだけでは根は断てない。

 だからこそ、首長は、周りの者が「天の声」の仕掛けに組み込まれないように、
 いつも目を配っておく必要がある。
 著者の弟が、その役割を担った形の本件では、
 そこに、首長としての手抜かりがあったことが読み取れる。

 一連の記述は、公共事業の裏側や、取調室の緊迫感をかいま見る上でも、
 貴重な証言だ。だが、法律的には判断が難しい。
 著者も、この事件に、裁判員制度が適用されればどうなるか
 と投げかけているが、
 その意味では、自分が裁判員になったつもりで、本書を読んでみるのも面白い。 
 
(橋本大二郎・前高知県知事)

コメント(0) スタッフ

一昨日をもって、福島県内4か所、「出版記念のつどい」が終了した。

告知もほとんど出来ない中、思いのほか多くの方々が集まってくださった。

終わってから、何通か、激励のメールもいただいた。
懐かしい顔にも久しぶりに会い、また今まで接点の無かった方からも
直接声を伺うことができて、これからの戦いにおいて大変心強く、力を頂いた思いだ。

発起人の方々、御来場の方々、本当にありがとうございました。

また私自身では、思いもつかぬ質の高い分析をして下さった、
手嶋龍一氏、宗像紀夫先生、神保哲生氏、下村満子氏、阿部重夫氏、
聴衆の一人として、勉強させていただいたことも非常に多い。

講師の先生方にもご多忙の中、福島県まで駆けつけていただき感謝の言葉もない。
ありがとうございました。

また、手弁当で御手伝いいただいたスタッフの皆さまにも
御礼申し上げます。

慣れぬイベントで、本ブログの若干滞ったが、
イベントの報告等も含め、また更新を続けていきますので
御高覧の程、よろしくお願いします。

コメント(0) 佐藤栄佐久
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